世田谷通りリキ歯科・矯正歯科の西山 力です。

今回のテーマは

インビザライン矯正治療で歯を削る?IPRについて

IPR (Interproximal Enamel Reduction) とは

⻭と⻭の間にスペース(隙間)を作ることです。

隣在⻭ (Interproximal)のエナメル質(Enamel)の削減、削合 (Reduction)の頭文字をとってIPR(アイピーアール)と言います。

「ディスキング」や「ストリッピング」 とも言います。

インビザライン矯正におけるIPRの目的

歯を並べるためスペースの獲得

叢生(ガタガタの状態)や上顎前突(出っ歯)などを解消するためのスペースの獲得方法として、

抜歯や歯列を拡大、遠心移動(歯を後ろへ移動する)に加えて

IPRを行うことによりスペースを作り、できたスペースに並べます。

ブラックトライアングルの解消

歯の形は逆三角形をしているので、その隣接面(端の部分)を少し落とすことで

ブラックトライアングルを解消します。

ブラックトライアングルについてはこちらを参照。

どのぐらい削るの?

最大で0.25mm程度です。

エナメル質の厚さ

実際のエナメル質の厚さは部位によって異なりますが、

IPRを行う隣接面に関しては約1mmです。

上下の前歯のエ ナメルの厚さは、

唇面において

歯頚部0.2mm~0.5mm、

中央部0.5mm~1. 2mm、

切端部0.9mm~1.6mm、

舌面において

歯頚部0.1mm~0.4mm、

中央部0.4mm~1.0mm、

切端部0.4mm~1.0mm

歯頚部(歯の歯肉側)から切端部(噛む面)になるにつれエナメルが厚くなる傾向があります。

歯冠の中央部から切端側にかけては、唇面では中央、隅角、隣接面のエナメルの厚さはほとんど変わらない傾向ですが、

舌面では中央部から切端側にかけては、舌面中央 より隅角のエナメルのほうが厚く、また隅角より隣接面のエナメルのほうが厚くなる傾向が認められています。

どこを削るの?

インビザライン矯正におけるIPRは隣接面(歯と歯の間)に行います

エアメル質の厚みが比較的厚い部分に行います。

虫歯になりやすくなったりすることはありません。

(文献;Caries risk after interproximal enamel reduction. AJODO 2006 Jul;130(1):26-30)

できるだけ削らないためには?

リキ歯科・矯正しかでは、

金属や樹脂などで修復してある部分がある場合は、選択的にその人工物部分を多く削るようにします。

インビザライン矯正治療で行うIPRの特徴

歯の大きさを1/100mm単位で計測し、クリンチェック上で削る量をコントロールしているため、スペース獲得のために必要以上に削ってしまうことはありません。

3Dモデルで視認化されます。

クリンチェック上で部位、量、タイミングを管理します。

オレンジ色の部分はIPRを行うタイミングであることを示します。

記録用紙で管理

患者様個別の記録用紙で、量や部位、行った日付を管理します。

IPRの方法

以下のものを用いて行います。

麻酔をする必要もなく痛みもほとんどなく行うことができます。

慎重に行うため時間がかかることはありますが、歯が弱くなったりする心配もありません。

手用のストリップ(ヤスリ)
高速バー

◎ブレがない

◎研磨用器具なので表面が綺麗

◎摩擦熱は出ない

◎形態を整えながら行える

(テクニックが必要です)

低速ダイヤモンドディスク

◎ブレがない

ハンドピース

△ブレが出て表面が荒れる

△振動がかなり強い

△摩擦熱で歯髄炎になることがある

世田谷通りリキ歯科・矯正歯科で¥では『高速バー』『低速ダイヤモンドディスク』の二つを使用しています。

削合の確認

IPRを行なった量を専用のゲージを使い、

削合されたエナメル質の量を確認します。

ゲージの抵抗感をチェックし、正しい量が行われているかを確認します。

フッ素塗布

最後にフッ素を塗布し、歯の表面を強化します。

 

歯を削るというと「痛い」「怖い」という想像しますが、

実際は麻酔もしなくて行えますのでご安心ください。

またIPRを行うことで、抜歯をせずに済む場合もあります。

 

それでもIPRを行いたくないというご希望の場合もあると思います。

不安や疑問がある場合は、矯正相談時に歯科医師に確認しましょう。

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