歯の疾患はゆりかごから墓場まで。全てのライフステージで罹患する

私たちの多くが何らかの歯の病気を経験していることと思います。

実際、歯科疾患は世界中で最も有病率の高い疾患の一つとされています。

しかし、ただ単に歯の病気を持っている人が多いだけではありません。

歯科疾患の真に興味深い点は、その普遍性にあります。

すべての世代が直面する健康課題

歯の病気は、生まれて間もない子どもからバリバリ働く現役世代、

リタイア後の高齢者に至るまで、すべてのライフステージで罹患する病気です。

これは他の多くの疾患とは大きく異なる特徴といえるでしょう。

多くの疾患は特定の年齢層に集中する傾向があります。

例えば、生活習慣病や悪性腫瘍は加齢とともにリスクが高まります。

一方、感染症の一部は乳幼児期に集中することもあります。

「がんなどの病気は中高年以降になってからかかりやすい傾向があります。

歯科疾患は乳児のむし歯、

10代後半からは大人のむし歯、

壮年期では歯周病、

高齢者では歯を喪失した無歯顎と、

どのライフステージでも高い有病率が維持されているのが特徴です」

ライフステージごとの歯科疾患

乳幼児期:乳児のむし歯

乳歯が生え始めた頃から、むし歯のリスクは始まります。

哺乳瓶むし歯や、甘い飲み物・食べ物による初期のむし歯など、

人生最初期から歯科疾患は存在します。

この時期の口腔ケアが、将来の歯の健康を左右することも少なくありません。

学童期から青年期:大人のむし歯の始まり

永久歯への生え変わりとともに、むし歯のリスクは継続します。

10代後半からは大人のむし歯が増加し始め、

学業や部活動で忙しい中、口腔ケアがおろそかになりがちな時期でもあります。

壮年期:歯周病の台頭

働き盛りの世代では、歯周病が大きな問題となります。

生活習慣やストレス、喫煙なども関係し、

歯を支える組織が徐々に損なわれていきます。

30代から50代にかけて、歯周病の有病率は急速に上昇します。

高齢期:無歯顎という課題

歯の喪失が進み、無歯顎の状態になる方も増えてきます。

咀嚼機能の低下は食生活に影響を与え、栄養状態や全身の健康、

さらには認知機能にまで影響を及ぼすことが研究で明らかになっています。

出典: Kassebaum NJ et al. Dent Res 2017出典: Kassebaum NJ et al. Dent Res 2017

文字通り、ゆりかごから墓場まで

このように、歯科疾患は人生のあらゆる段階で私たちに寄り添い続ける疾患です。

だからこそ、生涯を通じた予防と適切なケアが重要となるのです。

定期的な歯科検診と、各ライフステージに応じた適切な口腔ケアを心がけることで、

健康な歯を長く保つことができます。

歯の健康は、単なる口の中の問題ではなく、QOL(生活の質)全体に関わる重要な要素なのです。


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